不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

1. 一般不妊治療はどのような手順で行いますか

 来院した不妊カップルに、これから行う不妊検査、治療、今後の見通しを含めたカウンセリングを行います。不妊治療はその症状、検査所見に応じ、適切な治療をすべきもので一様ではありません。どんな不妊症にも効くなどという治療法はありません。専門医は検査の意義を十分に説明し、不妊統計を考慮に入れながら治療の見通しをていねいに説明する必要があります。そして、不安を取り除く精神的サポートもすることが重要です。

 十分な説明をし同意が得られたら、まず6大基本検査を行います。検査結果にもよりますが、最初の6ヶ月は基礎体温の測定、頚管粘液検査、経膣超音波診断、時には、LHチェック(排卵日を尿中のLHというホルモンの変化で予測する検査で、自宅で行うことも可能)で排卵日を予測し、適切な性交を指導し妊娠を促します。

 次の6ヶ月でクロミフェン療法、ブロモクリプチン療法、HCG療法(排卵直前に投与し排卵を促したり、あるいは排卵後に投与し黄体を刺激する治療)などを行います。

 この方法でも妊娠しない場合、さらに半年から1年かけて排卵誘発剤であるHMG―HCG療法を施行し、同時に適宜、人工授精(子宮内へ直接精子を注入する)を施行します。

 このような治療で妊娠に至らない場合は、次の手段としてGIFTあるいは体外受精を施行します。このような手順は欧米でも採用されています、もちろん各検査の段階で異常が認められた場合には、それぞれの不妊原因となり得る異常を是正し、個別的な治療をするのは当然のことです。例えば、卵管通過障害に対する卵管形成術、子宮筋腫、子宮内膜症に対する手術や薬物療法などです。