不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

33. 体外受精-胚移植やGIFTの際、調節卵巣刺激はどうして必要なのですか


 体外受精あるいはGIFTの際に多数の卵子を得ることが成功の秘訣なのです。例えば、左右の卵巣に5個ずつの卵があるとします。その10個の卵を受精させると8割程度が受精します。その中の6割が良好胚となるとすると。5個が良好胚になります。この良好胚の中から3個を子宮腔に戻しますと3~4人に1人が妊娠します。残りは冷凍保存し、新鮮胚で妊娠が成立しない場合に後の周期に移植することができます。胚が着床する率は、10個に約1.3個の割合と低率ですから妊娠率を上げるためには複数の胚を移植する必要があります。GIFTの場合でも同様に左右の卵管に複数の卵子を戻しますと高い妊娠率が得られます。施設によっては卵巣過剰刺激症候群などの副作用の発症を恐れ、自然周期やクロミフェン周期で体外受精を行う施設がありますが、低い妊娠率しか得られていません。世界的に見ても大部分の高度生殖医療施設で原則として調節卵巣過剰刺激と呼ばれる方法が採用されています。