不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

46. 凍結杯移植の成績と胎児に及ぼす影響について説明してください

 内外諸家の報告を見ますと、施設間により大きな差がありますが、胚移植周期当たりの妊娠率は15~23%程度です。その後に流産もありますから、結局、生児を得る確率は12~18%程度になります。多数の胚が凍結された場合、一度に2~3個の凍結胚を移植しますから、仮に2個繰り返すことができると移植率は26%から、時には30%を越えるという報告もあります。凍結胚を用いても、新鮮胚に近い着床率、妊娠率、流産率、および生産分娩率が得られるという報告が多いのですが、施設によっては凍結胚を移植した場合、むしろ新鮮胚の移植より良好な結果を得たという報告もあります。その理由として、新鮮胚を移植する採卵周期は過剰刺激の状態にありますが、後の移植周期では性状周期の内分泌環境のもとで移植することが可能であるということが考えられます。

 凍結胚により妊娠した胎児の予後検査をしてみますと、身体発育にも精神発達にも自然妊娠との差は認めておりません。先天異常の発現も自然妊娠と差がないと報告されています。