不妊治療Q&A

Q&A

【13】卵巣過剰症候群

2. 卵巣過剰刺激症候群の予防方法はありませんか

 アルブミン投与により血漿浸透圧の上昇を図り、腹腔への血漿成分の漏出を防ごうという考えのもとに、アルブミン投与が行われています。アルブミンの予防投与が行われたが妊娠が成立しなかった例では、投与群には発症せず、非投与群においては約3人に1人、妊娠例では投与群の約3人に1人、非投与群の2人に1人が発症しています。しかし、発症後の投与は低蛋白血漿の改善のため広く用いられていますが、予防投与の有用性には疑問を持つものもいます。

 卵巣過剰刺激症候群は若くて卵巣の反応性がよい女性や多嚢胞性卵巣症候群と呼ばれる排卵障害の女性に多く発症します。HMGの投与により過剰な卵胞が成熟した場合、血中エストロゲンが異常高値を示す場合にHCGを投与すると卵巣過剰刺激症候群が誘発されますから、HCGを投与しないのが最大の予防です。妊娠で卵巣過剰刺激症候群が悪化しますから、HCGを投与してもその周期の妊娠を避け、ARTの場合は採卵後胚移植せず全て凍結保存する方法もあります。もし、その周期に妊娠を望むならば、黄体機能の賦活の目的で投与するHCGを止め、黄体ホルモンを投与するのも有効です。