女性の体と病気について

女性のために大切なこと

性感染症

セックスで感染する病気を知っていますか?

以下がセックスで感染するとされる病気です。
  • <クラミジア>
    目の感染症「トラコーマ」の病原体である「クラミジア・トラコマチス」が性器に感染しておこる感染症です。セックスにより感染するもので、最近、特に急増しています。

    症状としては、感染後約1週間を過ぎると、黄色くて粘りけのあるおりものが出たり、下腹部痛を感じたり、排尿痛を感じることなどがあります。この様な症状が進行すると、子宮頸管炎から子宮内膜炎、卵管炎、骨盤腹膜炎などを引きおこし、不妊症や子宮外妊娠の原因になります。また、感染したまま妊娠すると、流産や早産を引きおこしたり、赤ちゃんが結膜炎や肺炎にかかる危険性が高くなります。 クラミジアは女性の場合、症状が比較的軽いため感染症とは知らずに、新たな感染者を増やすおそれがあります。
  • <性器ヘルペス>
    病原体である「ヘルペスウイルス」には口唇や目の角膜に水疱をつくる(1)型と性器に水疱をつくる(2)型とがあります。最近ではオーラルセックスの影響で、(1)型ウイルスによる水疱が性器にもみられるようになりました。

    主な症状は、感染後3~7日で外陰部に軽いかゆみを感じ、その後、小さな赤い水疱ができ、痛みや発熱を伴います。水疱が潰れ、ジクジクした潰瘍になると排尿時や歩行時に激痛が走ることもあります。また、不顕性感染といってはっきりした症状がでないケースもあります。抗ウイルス剤や鎮痛剤、消炎剤などにより治療しますが、ヘルペスはいったん症状が治まってからも、体の抵抗力が衰えると、再び発症し長引くことも少なくありません。
  • <エイズ(後天性免疫不全症候群)>
    「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」とよばれるウイルスが、体内に侵入すると、免疫システムをつかさどるリンパ球が破壊され、からだの免疫力が低下し、通常はなんでもない病気でも命とりになる病気です。感染経路は、輸血、注射器の回し打ち、セックス、母子感染などですが、現在は異性間でのセックスによる感染が増えています。 HIVは血液、精液、膣分泌液に多く含まれており、粘膜や皮膚の傷口に直接、濃厚にふれることにより感染します。

    主な症状は感染後に発熱、リンパ節の腫れ、関節痛がおこる場合がありますが、これらの症状は直ぐに消失するために感染に気づかないケースが多いのです。その後は無症状のまま、数年から十数年の長い潜伏期間があり、やがて発症すると免疫力の低下とともに、さまざまな病原体による日和見感染症とよばれる、カリニ肺炎、カンジダ症、カポジ肉腫、結核などを併発し、数年で死にいたります。 残念なことに特効薬といえる薬はなく、HIVの増殖を抑え、合併症の治療で延命をはかるのが現状です。しかし、感染者であっても、発症していなければ普通の生活が可能です。 感染者への偏見や差別をしないためにも、正しい知識をもつことが大切です。
  • <尖形コンジローム(せんけいこんじろーむ)>
    「ヒトパピローマウイルス(HPV)」によって性器に出来る良性の腫瘍ですが、子宮頸がんの発生との関連も指摘されている、要注意の感染症です。

    主な症状は、個人差がありますが、感染後3週間から3ヶ月の間に膣口や小陰唇、肛門付近にやわらかくて赤いいぼができ、しだいに数が増えてかたまりをすくっていきます。 いぼが大きくなるまではあまり自覚症状がなく、かゆみやセックス時の痛み、異物感を伴う程度です。

セーフティ・セックスの実行を!

エイズを含めて、急増する性感染症から身を守るためにはセイフティ・セックスを実行することが一番大切です。不特定多数の相手とのセックスは避け、特定の相手とのセックスでもどちらかに感染の疑いがある場合には常にコンドームを使用することが予防の基本です。 また、性感染症は流産や不妊症などの原因になることもあるため、女性にとって特に不利でリスクが高い病気なのです。大切なパートナーや産まれてくる赤ちゃんにうつさないためにも自分だけでなくパートナーと共に検査を受け、医師の指導に従い、きちんと治療しましょう。