不妊治療について

院長からのアドバイス

「健康アドバイス」不妊症シリーズ 4

人工授精

 精子減少症や機能性不妊(原因不明不妊)には、精液を子宮内に注入する人工授精(AIH)が広く行われています。しかし中等度以上の精子減少症では、なかなか妊娠にいたりません。

 そこで最近では、体外受精の派生技術である精子洗浄濃縮法(スイムアップ法・密度勾配法)を利用したAIHも行われています。精液そのものを用いる従来のAIHに比べ、運動能力が高く高濃度の精子浮遊液を子宮内に注入するので、より高い妊娠率が得られます。
 従来のAIHでは、精子だけでなく精液も子宮腔へ入ります。精液には子宮筋を収縮させるプロスタグランディンが含まれているため不快な腹痛の原因となります。また精液はさまざまな雑菌が混入していることが多いものです。洗浄した精子を用いたAIHでは、余分な精液成分と雑菌はのぞかれますので、不快な腹痛や、細菌感染の危険は少なくなります。

 また、より重症例には、直接卵胞内受精法(DIFI)を行っています。90年に初めて成功が報告された新しい技術で、卵巣内の卵胞に精子を注入する受精法です。精子が卵にたどり着くまでの距離が短く、精子数の少ない人に有効です。また機能性不妊の2割を占める黄体化未破裂卵胞例でも妊娠が望めます。

 実際には超音波断層装置で観察しながら、卵巣内の成熟卵が入っている卵胞(直径2センチ前後)に長い針を使って精子(5万~25万個)を注入します。
 体外受精と比べると、卵管の通過性がないと成功する可能性がないなど制限は有りますが、簡便で入院の必要はなく、治療費が安いなどのメリットがあります。

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「健康アドバイス」不妊症シリーズ 5

体外受精

 体外受精・胚移植(IVF)は、1978年にイギリスのエドワード、ステプトー両博士により、第一号のルイーズ・ブラウン嬢の出生が報告されて以来、世界各地で広く行われるようになりました。
 IVFは卵を体外に取り出し(卵巣の卵が育っている卵胞へ針を刺し採卵)、いわゆる、試験管の中で精子と受精させ、分割受精卵を子宮へ移植して(膣より子宮口から細いストローをいれ、受精卵を少量の培養液とともに子宮腔へ注入する)、妊娠を成立させるものです。
 初期の頃の適応は、受精の場である卵管が炎症や子宮外妊娠のための機能を失った場合、すなわち卵管性不妊でした。しかし、その後、拡大応用されるようになり、今日では精子減少症(男性不妊)や機能性不妊(原因不明不妊)にも用いれられています。IVFは、その適応が広がっただででなく、実際の手技や、管理方法も徐々に進歩してきています。
 超音波を用いた経膣採卵法の開発によって、煩雑な腹腔鏡下採卵はもはや過去のものとなりました。また十分成熟した卵を採取するために、入院して経時的にホルモンを測定するのもGn・RHアナログという薬物の開発によって簡素化され、IVFを入院なしで行う施設もでてきております。もちろん私の施設でも入院の必要はありません。
 IVFは、かつては子が望めなかった夫婦の妊娠を可能にした反面、いくつかの問題もあります。それは一回の体外受精当たり、妊娠率は20%前後とまだ低いことや、多胎妊娠や、まれに重篤な卵巣過剰刺激症候群を引き起こすことなどです。また、実際IVFを受けるカップルにとっては、IVFは保険適用が無く、自費診療になることも大きな問題でしょう。

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