不妊治療について

私の産婦人科訪問

バイエル薬品株式会、女性のための総合健康サイト「femalelife.jp」「私の婦人科訪問」という企画で当クリニックの院長が取材を受けました。以下はそのインタビュー記事をそのまま載せたものです。
http://www.femalelife.jp/visit/call_09.html

私の産婦人科訪問タイトル
30歳を迎えて出てきた結婚・出産への不安について
東海地区のクリニックで聞いてみました。

まだ結婚・出産の経験がないけれど、私もいつかは子どもを!と考えています。でも、いざそのときに自分は子供ができるカラダなのか不安…。
そんな悩みを、不妊治療にも詳しい邨瀬先生にぶつけてみました。(中垣光恵)

中垣光恵と邨瀬先生

産みたい女性のターニングポイントは35歳?

中垣:
私は30歳で、まだ結婚・出産の経験がありません。子どもが欲しくなったときに妊娠、出産ができるかどうか不安です。
邨瀬先生:
現在アメリカでは1年間妊娠できなかった場合に不妊のグループとして治療をはじめますが、日本ではそれが2年間です。この2年間のうち約80%の方が妊娠されます。
中垣:
もう一つの不安は30歳を過ぎて結婚・出産の経験がない女性は、経験のある女性にくらべて婦人病にかかりやすいと聞きましたがどうでしょうか?
邨瀬先生:
統計的には出産経験がないと子宮体部がんが増えると言われています。今は晩婚化が進んでいますが、やはり産婦人科医の立場から、35歳くらいまでに一人産んでくださると嬉しいです。私のクリニックを訪れる方の中には、40歳になっても妊娠できて当然と考えている方が大勢います。
中垣:
実際はいつ頃から妊娠しにくくなりますか?
邨瀬先生:
35歳を越えるとやはり妊娠しにくくなります。
もちろん、40歳を過ぎて産む方も何人もいますが、若い方が妊娠の確率が高いですから、35歳をひとつの区切りとして考えるのはいいと思います。
中垣:
私たちの体に備わっている子どもを産める期間がある程度限られていることをもっと自覚した方がいいということですね。子どもが欲しくなったときに備えて、どんなことが必要ですか?
邨瀬先生:
生活管理、食べもの、そして運動ですね。たとえば夜寝ないのはよくありません。サーカディアンリズムといって、太陽が沈んだら眠る、昇ったら起きるというのが本来の人間のリズムです。そういう生活をしていた方が生殖能力は落ちません。食べものでは、緑黄色野菜や果物をよくとり、動物性脂肪をとり過ぎないことです。アルコールや甘いものも控えたいですね。卵巣や子宮は血液のめぐりが悪いとちゃんと活動してくれません。飛行機でずっと座ったままでいるとエコノミー症候群になるように、血液のめぐりが悪いと卵巣や子宮も機能が低下します。そういう意味で血液のめぐりを悪くするタバコはよくありません。
なるべくしゃがんだり、歩いたり、自転車に乗ったりして、下半身をよく動かすように心がけてください。 週に3回はジムに通うなどしてカラダを動かすことです。
中垣:
ストレス的な問題はいかがですか?
邨瀬先生:
当然影響があります。職場が変わって月経が来なくなる方はよくいらっしゃいます。視床下部から脳下垂体に指令が伝わって卵巣機能をコントロールしていますが、ストレスによってこの辺に影響がでます。それで無月経になる方は多いです。
しかし、ストレスがあるのが現代ですから、問題はストレスをどうやってマネージメントしていくかということでしょうね。
中垣   中垣&邨瀬先生

月経の質も、年齢と共に変化する?

中垣:
実は、ここ数年で月経の血液が濃く塊になってきました。年齢とともに月経の質は変わるものでしょうか?
邨瀬先生:
つの要素が考えられます。一つは、子宮内膜の質が変わってきたことによるものです。もう一つは、血液そのものの影響です。血液の濃さや脂肪の具合が変わってきている可能性もあります。非常に少ない場合は子宮内膜が薄くなっているといえるので妊娠しにくいということになります。
中垣:
出血量もやはり若い頃の方が多かったです。最近は、痰と粘膜が混じったような黒っぽい血液がたくさん出るようになりました。月経で特に注意が必要な症状はありますか?
邨瀬先生:
まず、量がものすごく多い場合、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があります。経血が多いことと塊が混じることは一つのサインなので、子宮筋腫やその他の病気がないか診てもらった方がいいでしょう。 一方で、加齢以外でものすごく少ないという場合は卵巣機能が落ちてきたか、もしくは無排卵性周期といって、排卵はなく出血だけのタイプではないかという一つの指標になります。
それから色の濃さも注意したいですね。量が少ないと、空気に触れる機会が増えますから黒くなったり、茶色くなったりして色が濃くなります。色が濃いようでしたら出血量が減っているかもしれませんね。
中垣   中垣&邨瀬先生

60日周期の月経でも大丈夫?

中垣:
私は、月経不順はありませんが、やはり月経不順も病気を知る一つのポイントになりますか?
邨瀬先生:
そうですね。本来は月経が来てから14日目くらいに排卵するのが普通ですが、それが遅れると月経不順になります。月経の周期は25日から35日が正常と考えられています。2ヶ月たっても月経が来ないような場合は排卵障害など治療の対象となります。たとえば40日とか50日に1回くらいしか月経が来ないとしても、その人が困る症状がなければ問題はないと考えています。
困った症状というのは、月経がなかなか来なくてとても体調が悪いとか、出血が1週間で治まらないとか、子どもが欲しいのにできないなどです。人間は機械ではないので私は60日くらいまではいいと思います。
中垣:
いつも60日周期という方もいらっしゃいますか?
邨瀬先生:
ええいます。私は60日くらいをひとつの目安と考えています。のぼせたり、つらかったりすれば治療しますが、月経がなかなか来ないからといってすぐに治療の必要があるとは思っていません。
中垣:
60日周期の方は、妊娠しにくいということはありませんか?
邨瀬先生:
それは妊娠しにくいでしょう。28日か30日周期の方は、月経が来た日から14日目か15日目にチャンスを持てば妊娠します。普通の人なら年間12回チャンスがあるところが、8回あるいは9回になりますので妊娠しにくくなります。
中垣:
実際に子宮のほうには影響はありませんか?
邨瀬先生:
子宮にとっては、ときどき卵が出てくれれば問題ないみたいです。ただ、いつ来るか分らないとか、避妊が困るとか、いつ妊娠しやすいのか分らないとか、そういう点が気になる方や月経が乱れる人はOC(低用量ピル)を飲みなさいと話します。
一方、月経がちゃんと来る人が、月経以外で出血をすると、それはがんやポリープの症状、あるいは卵巣の働きがおかしくなった症状のこともあります。月経の出血がおかしいのは病気の一つのサインですから、そういう時は受診した方がいいでしょう。
中垣    

乳ガンと月経の関係

中垣:
乳がんも心配です。以前、自分で触ってしこりがあるように感じて、病院で触診とエコーの診察を受けましたが何でもありませんでした。自分でも分りやすい触診の方法はありますか?
邨瀬先生:
以前は自分で触ったり、エコーと触診で調べたりしていましたが、今はマンモグラフィで見きわめるというのが主流です。私たちも触診はしますが、乳房疾患は婦人科から外科に移っています。もしご自分でチェックする場合は、平たい手でしこりを感じるようなら心配かもしれません。
中垣:
自分でチェックする時はいつすればいいですか?
邨瀬先生:
座ったままでもいいですしリラックスできるときならいつでもいいです。ただ月経前は乳房がしこりますので、月経後の方がいいでしょうね。月に一回は無理かもしれませんが、たまにはやってください。
中垣:
乳房の大きさなどと病気は関係ありますか?
邨瀬先生:
それは関係ないようです。しかし、理由は分っていませんが、一度も赤ちゃんを産んだことのない人の方が乳がんは多いみたいです。
中垣:
ということは、30歳を過ぎて結婚・出産経験がないと婦人病の確率が上がる可能性があるというのは一理あるような気がしてきました。

 

 

中垣   中垣&邨瀬先生

あとで妊娠にも影響する性感染症

邨瀬先生:
それから、妊娠ということに限っていえば、性感染症にはならないように注意してほしいです。
性感染症になって子宮内膜が炎症を起こすと、畑が荒れるようなもので究極的には卵管が詰まったりして妊娠しにくくなります。
性感染症にならないためには、十分シャワー浴をするなどして清潔にしてコンドームもつけた方がいいでしょう。また、パートナーをむやみに変えない方が安全です。そして何かあれば早めに病院にかかること、初期に治してしまうことが何よりです。
中垣:
以上の事を気を付ければ妊娠に影響は残りませんか?
邨瀬先生:
性感染症にかかっているのを知らないままでいると炎症が進んで、卵管が詰まらないまでも周囲に癒着して妊娠しにくくなります。卵が出たところを卵管采でキャッチしないといけませんが、そこが炎症を起こすとうまくキャッチできないこともあります。それから炎症で子宮内膜が荒れると、受精卵が着床しにくくなります。
中垣:
性感染症にかかるとどんなサインがでるのでしょうか?
邨瀬先生:
やはりおりものの臭いや量の変化でしょうね。あとはお腹がちょっと痛いなど、症状としてはそういうものが多いです。
中垣   中垣&邨瀬先生

納得して帰れるクリニックであるために

中垣:
男の先生にかかるのははじめてですが、先生はとても気さくで話しやすいです。
邨瀬先生:
婦人科はまだ敷居が高いと思います。ですから来てくださったからには何らかの結論を出して満足して帰っていただこうと心がけています。患者さんがなんだかよく分らないまま診察を終えるのでは駄目で、「これはこういう風に調べてこの日には分かります」とか、3つくらい疑いがあっても、「大抵の場合、あなたはこれです」と話してお帰りいただくようにしています。
中垣:
不安なままでなく、納得して帰れるという点は大きいですね。
邨瀬先生:
たとえば、エコーを見る時はその前に説明しておきます。また、大人の子宮は普通3.5センチですから、「もしあなたの子宮が3センチ以下なら子宮発育不全だから」と事前に説明します。そうしますと実際に計って2.5センチしかない場合でも、納得が早いですね。
中垣:
心の準備ができているから受け入れやすいんですね。
邨瀬先生:
患者さんは先生から、たとえば「もう大丈夫だよ」と言われただけでは納得してくれません。私自身もそう言われただけでは納得できませんから。どうしてもう大丈夫なのか、こういう結果でこうなっているからもう大丈夫だよと言わないと付いてきてくれません。
中垣:
先生はとてもコミュニケーションがお上手だと感じます。私もすっかり先生のファンになりました。

 

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