Q&A
【1】不妊症とは
1. 不妊症とはどんな状態ですか
妊娠を望み2年以上夫婦生活を営んでいても妊娠に恵まれない場合を不妊症と呼びます。避妊しなければ2年以内に約90%の方が妊娠しますから約10パーセントに方が不妊症ということになります、一度も妊娠したことのない方を原発性不妊症、妊娠の既往があるもののその後妊娠しない方を続発性不妊症と呼びます。
結婚後しばらく避妊したいという方もいますが、私どもの実際の調査では結婚2年以内に90%が妊娠し3年以内に分娩していますから、実際には長期避妊している方の割合は以外に少ないものと思われます。
女性は30歳を越えると毎年3.5%ずつ妊孕性が低下すると考えられています。35歳では25歳の女性に比べ生児を得る機会は半分になります。また、結婚年齢が高くなると不妊症の頻度が高くなります。また、妊娠したとしても、年齢とともに流産の頻度も増加します。20歳未満の女性では流産率は12%ですが、40歳を越えると26%という報告があります。これは加齢とともに胎児の染色体異常の頻度が増加するためと考えられています。
一方、高齢の男性が児をもうけたという例も稀ではありません。男性側の妊孕性は女性とは対照的で、加齢に伴う低下は顕著ではありません。しかし、男性においても、加齢とともに精子の質は軽度ながら低下し、染色体異常の頻度も上昇するといわれています。