不妊治療Q&A

Q&A

【1】不妊症とは

7. 男性側の異常による不妊

 妊娠するためには、まず動きのよい十分な数の精子が膣内に射精されなければなりません。精子が少なかったり、形の悪い精子が多かったり、また動きの悪い精子が多い場合は妊娠がしづらくなります。精子に原因がある場合を男性因子による不妊と呼び、不妊患者の約40%を占めます。

 受精するためには運動性、形態および数の点から、極めて多数の精子が膣内へ射精されなければなりません。約0.06ミリの精子にとって7センチほどの子宮腔経て10センチほどの卵管を通り受精の場所である卵管膨大部に到達することは大変な事です。そこへ到達出来る精子は射精された精子の一万分の一にも満たない数、数十から数百と言われています。運動速度の速い精子は秒速0.1ミリほどにもなりますから30分で18センチ進むことになりますが、これは丁度膣の奥から卵管膨大部までの距離に相当します。 膣内へ数千万から一億を越える精子が射精されます。その半数以上が運動をしており、お玉杓子の様な形の良いものが30%以上占める場合が正常とされています。