Q&A
【1】不妊症とは
10. 排卵障害による不妊
卵巣の中の最も小さい卵胞は直径0.1~0.2mmで、原始卵胞と呼ばれます。それが徐々に生長し月経の始まる頃には直径5mmほどになります。卵胞の生長は主に卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で促されます。卵胞直径が8mmになる頃からエストロゲンの分泌が徐々に亢進し、15mmになると急増し、卵胞期初期の数倍のレベルになります。間脳ム下垂体系にこの高レベルのエストロゲン(200~300pg/ml)が2~3日間作用しますと、脳下垂体からの黄体化ホルモン(LH)の放出が促され、これが卵胞表面の一部の組織を菲博にし卵胞破裂、すなわち排卵を起こします。
卵胞発育の障害はいろいろな段階で起こります。重症の場合は、1mmにみたない小~中卵胞のままで生長が止まります。中等症の場合は5mm前後まで生長しますが、それ以上にはなりません。最も軽症なものは、排卵直前の大きさまで生長するものの卵胞破裂が起こらない場合があります。卵胞の発育が起こらないか、あるいは卵胞破裂が起こらない場合を排卵因子による不妊症と呼び、不妊患者の15~20%を占めます。