不妊治療Q&A

Q&A

【1】不妊症とは

12. 受精障害による不妊

 卵管の腹腔側に近い膨大部で精子と卵子が出会い受精しますが、これが正常に進行せず不妊になることがあります。受精の際に、まず精子は卵子を取り囲むゼリーの様な卵丘細胞の層を通り抜けます。この卵丘細胞は卵胞内で卵子の保護をしています。多数の精子が接触しますと細胞の結合が弱くなり、卵子から離れやすくなります。その卵丘細胞の層を内側には透明帯と呼ばれる層がありますが、精子はそれを結合します。透明帯には精子と特異的に結合するレセプターがあります。

 透明帯に結合した精子の頭部からアクロシンと呼ばれる蛋白分解酵素が噴出され、精子の通り道ができます。この反応を先体反応と呼びます、透明帯を通り抜けた精子は卵子の細胞膜と結合し、さらに融合し卵子の中へと取り込まれます。精液所見が正常でも、これら一連の現象がうまくいかないものを受精障害による不妊と呼び、不妊患者の約4%を占めます、受精障害というものが不妊原因として問題になってきたのは体外受-胚移植やGIFTの余剰卵による検査で、受精の有無が確認できるようになってきてからのことです。