Q&A
【1】不妊症とは
15. 子宮内膜症と不妊
子宮内膜は卵巣から分泌されるホルモンの影響で肥厚しますが、妊娠しないと剥離し月経となって体外へ排出されます。この子宮内膜が正規の子宮内腔になく、骨盤の腹膜や卵巣の中に入り込んでいる場合があり、これらは子宮内膜症と呼ばれています。月経となっても組織の中に出血するため、月経痛が強く、また性交痛なども訴える方もいます。一般の方には5~10%の頻度で見られるのに対し、不妊の方では20~30%にみられ、不妊の原因になっているのではないかと考えられています。
子宮内膜症が卵管を巻き込むと、卵管性不妊の原因にもなりますし、卵巣にできますと卵胞の発育を障害することがありますが、子宮内膜症と不妊の関係についてその他にもいくつかの説もあります、子宮内膜症からプロスタグランディンのような物質が分泌され、卵管機能や卵胞発育、あるいは黄体形成を障害するという説や子宮内膜症を有する女性の腹水にはマクロファージ活性が高く、これが不妊の原因と考える人もいますが、これに反対する意見もあります。