不妊治療Q&A

Q&A

【1】不妊症とは

18. 原因不明の不妊(機能性不妊)

 一般的不妊検査(精液検査、フーナーテスト、基礎体温、超音波検査および卵管疎通性検査など)で異常を認めない例が約10%存在します。これら不妊原因がわからないものを機能性不妊と呼びます。機能性不妊と診断された場合には、体外受精における受精率が低い例があります。このことは少なくとも、機能性不妊症の一部が受精障害と関係があることが推測されます。機能性不妊と診断された例に排卵誘発剤を使用すると有意に妊娠率が上昇することから、機能性不妊と呼ばれるものの中に、黄体機能の賦活や黄体化非破裂卵胞などの例が示唆されます。また、機能性不妊患者にGIFTを施行した際に、卵管采の形態異常が約半数に認められるという報告もあり、機能性不妊の主要原因として卵子の捕捉障害があるものと思われます。

 診断技術を向上させ、原因をできるだけ解明する努力が必要です。例えば、腹腔鏡検査、子宮鏡、抗精子抗体検査、ハムスターテストなどの特殊検査も適宜取り入れることも必要です。