Q&A
【3】6大基本検査で異常が認められた場合
3. 男性ホルモンの検査で何がわかりますか
男性ホルモンが異常高値を示す場合、排卵障害、ニキビ、多毛あるいは肥満の原因になります。本邦の女性では多毛を伴うことは多くはありません。男性ホルモンは主に卵巣と副腎から分泌されますが、いずれの場合でも、排卵障害の原因となります。男性ホルモンは間脳―下垂体―卵巣系のフィードバック調整を障害するのが排卵障害を起こす一つの理由と考えられています。
また、多嚢胞性症候群(PCOS)と呼ばれる排卵障害の場合に内莢膜細胞が肥厚し、そこからの男性ホルモンの分泌が高まります。PCOSでは直径数mmの多数の卵胞が多数存在するにもかかわらず、それ以上の卵胞発育が起こらず排卵に至りません。卵巣は鶏卵大に腫大し、表面を被う白膜が厚くなり光沢を帯びてきます。これも男性ホルモンの影響と考えられています。このような組織学的変化も機械的に卵胞成熟や排卵を障害する原因になると思われます。
男性ホルモンの主なものは、それぞれ産生源が異なります。卵巣からはアンドロステンジオン(△4)やエステステロン(T)が、副腎からはこれらに加え、デヒドロエピアンドロステンジオン(DHEA)やデヒドロエピアンドロステンジオンサルフェイト(DHEAS)などが分泌されます。