不妊治療Q&A

Q&A

【3】6大基本検査で異常が認められた場合

11. 精路・精襄造影(精巣から尿道までの通り道の検査)とはどういうものですか

 精子は精巣で造られていますが、精路の通過障害があり射精されないという方に精路・精嚢造影は必要な検査です。精管は精巣上体尾部より始まり、陰嚢から鼠径部を通り後腹膜腔に入り、膀胱後部で精管膨大部となり、精嚢と合流して射精管となり、前立腺を貫いて尿道に開口します。

 造影の方法はいろいろありますが、最も一般的なものが経精管法です。この方法は精管をできるだけ陰嚢に近い部分で保持し、精管直上の皮膚に局所麻酔を行い1cmの皮膚切開をします。その後精管周囲の組織を剥離して精管を露出させます。精管と併走する血管を剥離し24~27Gの針を用いて精管内へ造影剤を注入します。2~3mlの非イオン系低浸透圧性造影剤(イオパミロン)を精嚢側へゆっくりと注入します。膀胱内に入った造影剤を導尿し除去した後、膀胱内に154ml程度の空気を注入し撮影します。