不妊治療Q&A

Q&A

【3】6大基本検査で異常が認められた場合

12. 精子先体反応検査(精子の頭部に含まれる酵素の検査)とはどういうものですか

 精子の濃度や運動率が正常であるとしても、長期不妊の場合にはもう一歩進んだ精子の検査が必要です。精子が透明帯を通過するときに精子頭部の先体と呼ばれる部分の外膜が破れアクロシンやヒアルロニダーゼなどの酵素が放出されますが、これを先体反応と呼びます。このアクロシン濃度が低い場合には不妊症になると言われています。比較的簡便な測定法も開発されており。今後有力な方法と考えられています。

 また、先体反応を完了したヒト精子の頭部に特異的に反応するモノクロナール抗体の付着したビーズを用いるアクロビーズテスト呼ばれるものもあります。通常、精子は培養精液中を遊泳している中に先体反応を起こし、アクロビーズと結合するようになりました。通常、5視野を観察し、3視野以上で全てのビーズに精子が結合していれば陽性とします。精子培養24時間後でもアクロビーズテストが陰性であった場合には、体外受精での妊娠もほとんど期待できないと報告されます。