不妊治療Q&A

Q&A

【3】6大基本検査で異常が認められた場合

14. 難治性不妊の場合、抗精子抗体、精子不動抗体検査は必要ですか

 難治性不妊の場合、あるいはフーナーテストで頚管粘液内の精子は運動性が障害されている場合は、抗精子抗体検査を受け、免疫性不妊の有無を調べる必要があります。女性の体内に、精子と結合しその運動性を抑制したり、受精する能力を損なったりする抗体がある場合があり、難治性不妊の方の約5~10%が抗精子抗体を有しています。抗精子抗体が陽性の場合は、女性の体内で精子が受精することができませんから、体外受精が必要になります。そのため難治性不妊の方に是非受けていただきたい検査です。

 抗精子抗体の中で不妊症と最も密接に関係があるのは、精子不動化抗体であるともいわれています。この検査は対照に比べて精子の運動率が50%減になる場合に、加えた血清の希釈倍数の値によって評価されます。値が10倍以上の高抗体価群では人工授精による妊娠は望めませんが体外受精での妊娠は期待できるとされています。