不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

6. ドパミンアゴニスト療法

 プロラクチンは脳下垂体から分泌されるホルモンで乳腺刺激ホルモンとも呼ばれています。このホルモンはお産の後に分泌が増し、乳汁の分泌を促します。一方、このホルモンは性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する作用があります。これは間脳からのGnRHの律動的分泌が抑制されるためと考えられています。プロラクチンの分泌が増し血中の濃度が15ng/ml以上になりますと卵胞発育が傷害され月経異常を起こし、ついには無月経になることがあります。妊娠を望む女性にこのような異常が見られると問題です。

 血中プロラクチンの異常高値(高プロラクチン血症と呼ばれる)を伴う排卵障害の場合は、ドパミンアゴニストによる治療が必要です。市販されているブロモクリプチン(パーロデル)やテルグリッド(テルロン)と呼ばれる薬剤を使用します。通常、この薬は朝夕1錠ずつ服用しますと、約2ヶ月後には排卵が認められるようになります。これらの薬剤は消化器系や心血管系に影響をもたらします。その結果、悪心や下痢、めまい、頭痛、疲労感等を伴うことがあります。通常、就寝前に半錠を服用し問題がないようなら、1錠に増量し、さらに問題がなければ早朝にも服用します。これらの薬剤は胎児に対し有害であるという確証はありませんが、妊娠が確認されたら投与を中止するのが一般的です。