不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

9. どのような時に卵管形成手術を受けたらよいのですか

 従来、保存的療法で妊娠に至らなかった卵管性不妊に対しては卵管形成術が唯一の治療法でした。しかし、現在では、卵管の完全閉鎖でなければGIFTが、完全閉鎖でも体外受精―胚移植で妊娠が可能となりましたから、年齢や不妊因子などを考慮に入れ卵管形成術の適応を決定すべきです。術後経過観察がある程度できる年齢的に余裕のある30歳前後までの比較的不妊期間の短い女性には卵管形成術を試みるのが適当と思われます。術後、卵管の通気性が確認された場合、約2年の期間を設定し、妊娠できない場合には体外受精―胚移植などを考慮するのがよいと思われます。

 もう一つ考慮しなければならないのは、病変の程度です。術前に子宮卵管造影や腹腔鏡で術後の改善が十分期待される場合にのみ手術を選択すべきです。報告者によって手術の成功率に大きな差がありますが、一般的に卵管留水腫、卵管内閉鎖、卵管間質部閉鎖の場合の術後妊娠率は、体外受精―胚移植後の妊娠率を凌ぐものではありません。