Q&A
【4】不妊症の治療について
23. 子宮筋腫の治療法
子宮は鶏卵大の袋状の臓器ですが、その壁の筋層に子宮筋腫と呼ばれる腫瘤がある場合、着床が障害されることがあります。特に、筋腫が子宮内腔に突出した粘膜下筋腫と呼ばれるものに、着床障害が多く見られます。筋腫が発生している場所、大きさなどを考慮し不妊原因と考えられる場合には手術の必要がありますが、放置して置いても良い筋腫もあります。また、子宮筋腫は頚管や卵管の狭窄を起こし、精子の遡上を障害します。子宮筋腫以外には不妊原因のない場合は、筋腫核出後1年以内に高率に妊娠します。
1キログラム以上の大きな筋腫を摘出した後、妊娠した例もありますし、また十数個の小さな筋腫を摘出し妊娠した例もあります。しかし、手術操作は慎重に、そして筋腫を摘出した後には癒着防止の特別な処置を行わなければなりません。その点が、単純な子宮筋腫摘出と不妊治療の一部としての子宮筋腫摘出との違いです。