Q&A
【4】不妊症の治療について
38. 体外受精ー胚移植やGIFTで移植後にどのような処置が必要ですか
黄体機能維持のために胚移植後黄体ホルモン(プロゲステロンが用いられることが多い)が投与されるのが一般的です。プロゲステロン量は1日25~50mgを筋注、あるいは100~400mgを膣座薬によって投与します。投与期間は移植後2週間ぐらい必要です。卵巣過剰刺激症候群の発症の確率が低い場合には採卵後2日目、4日目、6日目の3回ほどHCG2000単位を注射することもあります。
採卵後2週間目で尿中HCGを定量し、陽性ならば3~4日後にさらに検査を反復し、HCGが上昇していれば科学的妊娠が成立したと判断します。わずかにHCGが上昇したからと言っても、それを妊娠と呼んではいけません。あくまで科学的妊娠と定義し、妊娠成功例に加えるべきではありません。受精によって生じる胎児あるいは胎児付属物が確認されて、初めて臨床的妊娠といえます。少なくとも胎嚢の確認が必要ですが、最近では胎児心拍の確認をもって妊娠とする施設もあります。
着床を促進する意味で胚移植の際に透明帯に切開を加える方法があります。これをassisted hatchingと呼びますが、比較的高年の方で着床の段階で反復して不成功の症例にこの方法が有効であるとの報告があります。