不妊治療Q&A

Q&A

【4】不妊症の治療について

45. どのような方法で胚を凍結するのですか

 胚の凍結は非常に難しく、1983年に世界で初めて凍結胚が用いられ妊娠・分娩に成功しています。胚をそのまま凍結しますと、細胞内に小さな氷片ができ、細胞内の小器官が破壊されたり、浸透圧やpHの変化が細胞に障害を与えますから、胚が損傷を受けないような特別な冷凍保存液を用いる必要があります。凍結保存液で処理した胚をコンピュータ操作により、一定の速度で7℃まで冷やし植氷という操作を行います。植表とは胚の入った細い管(ストロー)の一部の温度を超低温に下げ、そこから一気にストロー全体を氷結させることで細胞の損傷を防ぐ技術です。完全に凍結された胚は徐々にコンピューター制御で温度を上げ、-30℃まで下がったところから急激に冷却し、-100℃前後で液体窒素に移し保存します。この状態で半永久的に保存が可能となります。