Q&A
【4】不妊症の治療について
51. 不育症あるいは習慣(性)流産とは何ですか
子供がほしいと思いながらも流産を繰り返し生児が得られない場合を不育症と呼びます。とにく流産を二回続けて経験した場合を反復流産、3回以上の場合は習慣性流産と呼ばれます。最近の傾向として反復流産を対象に、検査・治療をする医師が増えています。早期に検査を受け不安を解消したという方が増えたのと、医学的にも二度の流産を繰り返した方が、その後の妊娠が流産になる率が優位に高いという結果を反復したものと思われます。
流産は妊娠22週未満までに妊娠の継続が中断されることを流産と呼びます。これは全妊娠の約10~15%に認められます。実際には着床後2~4週の早期流産は予想以上に多く、これを含めると50%になると考えれています。これら早期流産の大部分が卵子や精子の染色体異常に基づくものが原因とされています。超音波診断で妊娠6週頃に胎児の心拍動が認められた場合には、その後の流産率は5%と低下します。
古い研究で、3度流産を反復後に再度流産する確率は73%であるという報告があります。このデータは、その後の調査により否定されています。初期の誤った報告に基づいて研究を行った結果、いろいろな治療法が習慣性流産に有効であるかのように信じられてきました。例えばビタミンや精神療法などを含む広汎な治療法が用いられていますが、これらはいずれも正しい治療とは言えません。