Q&A
【4】不妊症の治療について
56. 染色体異常や遺伝子異常による反復流産
いろいろな感染症が反復流産に関与することを示唆されていますが確証には欠けます。反復流産の女性においては、抗クラミジア抗体の陽性率が高いとの報告があり、抗生物質の投与も試みられております。しかし、頚管分泌物の培養をしたところ、流産群と正常群の間に有意差がなかったという結果が出ています。
リステリアモノサイトゲネスは円形のグラム陽性の細菌で,羊膜炎を起こすこともあります。流産患者の頚管から70%以上にこの菌が陽性でしたが、正常群には1例も陽性者がいなかったとの報告があり、反復流産との関連が示唆されています。
マイコプラズマの中でマイコプラズマホミニスとウプレアプラズマが疑われています。反復流産患者では対照に比し、マイコプラズマの陽性率が4倍も高いという報告がありますが、差がないという報告もあります。
トキソプラズマはペットに感染する寄生虫ですが、反復流産患者に抗体価が高いものが多いといわれていました。そのトキソプラズマ抗体価は、その感染の有無を正確に反映するものでないと考えられています。ヘルペスウイルスやサイトメガウイルスも反復流産との関係を示唆されていますが、現在のところ確証を欠いています。