不妊治療Q&A

Q&A

【8】調節卵巣過剰刺激

1. ARTの卵巣刺激にはHMGとpureFSHのどちらが優れていますか

 卵胞発育にはFSHとLHの2つの性腺刺激ホルモンが必要です。血中に少量ののLHが存在していれば、pureFSHのみで十分な卵胞成熟が得られます。LHが極めて低値の場合、FSHのみでは不十分です。ARTの際には、GnRHアナログでゴナドトロピンをある程度抑制しますが、そのような状態ではpureFSHでほぼ満足すべき卵胞成熟が得られるという報告が多いようです。pureFSHには培養細胞にFSH-DNAを組み込み生成したreconbinant FSHと尿中HMGを精製したurinary FSHがあり、両者に分子構造上の違いがあります。これらの変化が臨床上どのような影響を及ぼすかということに関しては、今後の検討が必要です。採卵数はreconbinant FSHのほうがやや多いものの妊娠率は変わらないという最近の報告もあります。

 LHが比較的高い例に流産率が高いという報告や、LHの基礎値が高い症例では妊娠率が落ちるという報告もあります。PCOSのような比較的LHの高い患者にはFSHのほうがよいと考えられています。