Q&A
【8】調節卵巣過剰刺激
7. なぜGnRHアナログは長期間使用しなければいけないのですか
通常、GnRHアナログと呼ぱれているものはGnRHと同じ作用を示すGnRHアゴニストとそれに拮抗するGnRHアンタゴニストがあります。アゴニストを連続的に多量投与すると、当初は脳下垂体が刺激されますが徐々に反応しなくなります。刺激期間は黄体期では1~2日程度ですが、卵胞期では数日間持続します。このゴナドトロピン放出現象はフレア現象と呼ばれますが、この際、過剰なLHが分泌され卵胞に好ましくない効果を及ぼす可能性があります。そのような理由から、GnRHアゴニストを用いる場合には黄体期から始め、2週間程度使用するのが一般的です。
GnRHアンタゴニストは早発LHサージを抑制する方法として望ましいのですが、ヒスタミン放出作用があり、アレルギーなどを起こすため、一般には使用されていません。副作用の少ない誘導体が開発されていますので、今後GnRHアンタゴニストが使用されるようになると思われます。