Q&A
【13】卵巣過剰症候群
1. なぜ、卵巣過剰刺激症候群が起こるのですか
排卵誘発剤を使用することにより卵巣が過剰に反応し腫大します。その際に血管透過性を亢進させるアンギオテンシン2という物質が過剰分泌されます。卵巣にはアンギオテンシン1をアンギオテンシン2に変化させるレニンも存在し、アンギオテンシン2のもととなるアンギオテンシン1も存在しています。さらに卵胞液中には各種のインターロイキン、TNF、エンドテリン1、VGEFなどのサイトカインが高濃度に存在し、これらは血管透過性を亢進させる物質として知られています。このように多数の物質の関与も示唆されていますが、最近インターロイキンー6とVGEFが注目されています。これらの物質の消長が原因なのか、結果なのか議論のあるところで、卵巣過剰刺激症候群の発現の本体は不明といってもよい状態です。