Q&A
【16】その他
3. 精子の選別で男女の産み分けができますか
精子の性の選別を行う方法としてアルブミンカラム法(1973年Ericssonら、1993年、Beeminkら)、セファデックスカラム法(1975年Steenoら)、パーコール法(1983年Kanekoら)、スイムアップ法(1993年Checkら)などさまざまな方法が開発されてきました。精子のY染色体をみる方法としてキナクリン染色が用いられてきましたが、これは不確実なものであり、現在では正しい評価はできないとされています。1975年Evans、1975年Ross、1986年Brandriffらは報告されているいろいろな方法を検討し、精子の性の分離は難しいと報告しています。
1993年、HanらはFISH法を用いXYを正確に判定する方法を開発しました。これを用いて再検討したところ、唯一XY精子の分離が可能であったのはflowcytomery(1996年、Watkinsら)のみであったという結果が報告(Reubinoff1996、Flahertyら1996)されています。ただし、nowcytomeryは細胞のわずかな違いを特殊な器械で選別するもので、臨床応用できる状態に至っておりません。結局、現在のところ、精子の選別による男女の生み分けはできません。