女性の体と病気について

女性のために大切なこと

月経のしくみ

月経のしくみを知っていますか?

女性の月経周期は、卵胞期、排卵期、黄体期と大きく3つに分けられています。
  • <卵胞期>
    約28日サイクルで脳下垂体からホルモンが一定のパターンで分泌されています。このホルモンは卵巣に信号を出して卵胞が成熟できるようにします。
  • <排卵期>
    成熟した卵胞からは「卵胞ホルモン(エストロゲン)」が多量に分泌され子宮内膜を増殖させます。エストロゲンの分泌がピークに達し、子宮内膜が十分に厚くなると、脳下垂体から「黄体化ホルモン(LH)」が分泌され、成熟した卵胞を刺激し、卵胞の中から卵子が飛び出します。これが排卵です。
  • <黄体期>
    排卵後、卵胞は黄体に変化し、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」を分泌します。プロゲステロンは子宮内膜をやわらかなベッドのような状態に仕上げ、受精卵を待ち受けています。
  • <月 経>
    卵子が受精しなかった場合、黄体は退縮し、血液中のプロゲステロンは急減し、不要となった子宮内膜がはがれ、血液とともに排出されます。これが月経です。

女性のからだと2つの女性ホルモン

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあります。この2つのホルモンはどのように女性の体に関係しているのか知っていますか?
  • <エストロゲンの主な働き>
    • 子宮・卵巣・膣・乳房など、女性性器の発育をうながす。
    • 排卵直前に多量に分泌され、排卵の引き金となる。
    • 子宮頸部から粘液を分泌させることにより、精子が子宮に入り妊娠しやすくさせる。
    • 子宮内膜を受精卵の着床のために増殖させる。
    • 膣粘膜の萎縮を防ぎ、性交をスムーズにさせる。
    • 骨量をコントロールする。
    • 脂質代謝を正常に保つ。
  • <プロゲステロンの主な働き>
    • 受精卵を着床させる準備や、妊娠を継続させる。(受精卵が着床しない場合はプロゲステロンの急減により子宮内膜がはがれて月経となります。)
    • 子宮壁の筋肉活動を抑え、流産や早産を防ぐ。

月経は女性のからだのバロメーター

今まで月経にともなう月経痛は、子宮内膜が排出されるときに子宮口が狭くて、血液が通りにくい場合に生じる痛みで有るといわれてきました。現在では、子宮内膜を排出するために子宮を収縮させる働きをもつホルモン(プロスタグランジン)が分泌されますが、このホルモンが月経痛等の月経困難症において大きな役割をもつことが分かってきました。月経痛の症状や痛みの程度に個人差は有りますが、日常の生活に支障のない程度であれば心配することはありません。

なお、月経のたびに仕事や生活に支障がでるような痛みがある場合を月経困難症といいます。月経困難症には、1)月経痛に特別な原因はなく、鎮痛剤により痛みを抑えることができる「機能性月経困難症」と、2)何らかの病気が原因となって月経痛が生じる「器質性月経困難症」があります。器質性月経困難症の原因となる病気には、子宮筋腫や子宮内膜症があります。

月経は女性の体のバロメーターです。耐えられないような痛みや以前よりも強い痛みがある場合には、その裏に予期しない病気がかくされていることもありますので、早めに専門医を受診しましょう。また、痛み以外でも、出血の量やおりものや血液のいろ、月経の時期や長さなど、何処かおかしいとおもうことがあったら、早めに専門医を受診するようにしましょう。