低用量ピル
もっとも一般的で、避妊や月経困難症、月経前症候群の改善に使用されます。エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンを含み、月経周期をコントロールするのが特徴です。
低用量ピルは、28日周期で毎日1錠服用します。最初の21日間は女性ホルモンを服用し、残りの7日間はプラセボ(偽薬)または休薬期間となります。
保険診療で処方するピルは、24日間内服して4日間プラセボのタイプもあります。また、77日間内服して7日間休薬するタイプ、最高120日間内服して4日間休薬するタイプもあり、これらは生理の頻度が減って快適で、月経移動が自由にできるメリットがあります。どのタイプのピルが自分に合うか、試していただくと良いでしょう。
中用量ピル
低用量ピルと同様に、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが配合されています。低用量ピルに比べてエストロゲンが多く含まれているため、効果が早く現れるのが特徴です。避妊だけでなく、治療目的で処方されることが多いピルです。主な用途は、生理周期の調整や、不正出血、月経困難症、子宮内膜症などの治療です。
プロゲスチン単剤経口避妊薬(POP)
2025年6月30日に発売された、国内初のエストロゲンを含まないピルです。主成分はドロスピレノン4mgで、避妊成功率は約99.6%で従来の低用量ピルと同等です。24日間成分が入った薬を、4日間偽薬を内服して28日周期とするピルです。エストロゲンを含まないため、血栓症リスクが非常に低く、高血圧、肥満、喫煙がある方でも安心して内服できるピルです。従来のエストロゲンを含む低用量ピルでむくみ、吐き気、頭痛などに悩んでいた方にも有用です。副作用として不正出血が起こりうることが知られていますが、内服を継続することで改善されていくことが多いです。
緊急避妊薬(レボノルゲストレルなど)
性行為後72時間以内に服用することで妊娠を防ぐ薬です。通常の避妊方法としては推奨されず、緊急時のみ使用します。コンドームが破れた場合や、避妊に失敗した場合の緊急措置として内服します。副作用は、吐き気、下腹部痛、頭痛、めまい、不正出血などがありますが発症頻度は高くなく、起きたとしても数日でおさまることがほとんどです。