2025年10月08日

メディカルダイエットとは
金山レディースクリニック副院長の邨瀬智彦(むらせともひこ)です。
メディカルダイエットとは、内服薬または自己注射製剤を用いて痩せる治療です。
運動をしても食べてしまってなかなか痩せなかったり、一旦ダイエットに成功してもリバウンドしてしまう、そのような経験はありませんか?
メディカルダイエットの主となる薬は、GLP-1受容体作動薬(セマグルチド)です。ゆるやかに食欲を抑えて食事を我慢するストレスが軽減し、体重減少が見込めます。GLP-1受容体作動薬は、肥満症の治療薬として世界各国で採用されています。当院では、内服薬のセマグルチド錠(商品名はリベルサス)、または自己注射用のセマグルチド注(商品名はオゼンピック)を使用する治療をご案内しています。セマグルチド錠およびセマグルチド注は、現在日本において肥満の治療目的で承認されているGLP-1受容体作動薬ではありません。同一成分の注射剤が、米国、EU、韓国において肥満症治療薬として承認されています。
セマグルチドによる摂取カロリーの低下に加えて、より効果的なダイエットを目指したい場合には、余分な糖を尿として排出するカナグリフロジン(SGLT2阻害薬)(商品名はカナグル)の内服を併用します。SGLT2阻害薬は、糖質制限と似た効果が得られるため体重減少が期待でき、ご飯や麺類などの炭水化物が好きな方にすすめられます。
さらに、ダイエットに伴う筋肉量や基礎代謝の低下を防ぐメトホルミン、脂肪燃焼効果がある防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、むくみ太りを改善する防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)との併用も可能です。
医師による診察と採血検査によるフォローで、医学的・科学的根拠を基に安心・安全なダイエットを提供します。
このようなお悩みに
- 肥満で困っている
- 運動・食事制限が続かない
- つい食べ過ぎてしまう
- ダイエットの効果がなかなか出ない
メディカルダイエットで減量中に、普段の食事や運動習慣を見直し、治療後にリバウンドしないよう準備しましょう。
治療薬
セマグルチド錠(GLP-1受容体作動薬)
GLP-1は、体内に存在するホルモンの一種で、血糖値を下げるためにインスリンの分泌を促進します。さらに、GLP-1は胃腸や脳に作用し、満腹感を得て食欲を抑制する効果があります。食欲抑制効果は、普段食べている量の6-7割で満腹感を得て、間食をしたく無くなることが期待できます。
セマグルチド注(GLP-1受容体作動薬の注射)
セマグルチド錠と同様、胃腸の動きを調整し、少しの食事でも満腹感を得られ、少ないストレスで食事量を減らすことができ、体重減少が期待できます。週に1回、決まった曜日に注射するだけなので治療が簡便です。飲食のタイミングに関係なく、好きな時間に注射する事ができ、セマグルチド錠よりも食欲を抑える効果がやや強めです。セマグルチド注の針は細く、一般的な採血で用いられる針の約4分の1程度の太さです。注射時の痛みはほとんどありません。
カナグリフロジン錠(SGLT2阻害薬)
カナグリフロジン錠は、腎臓における糖の再吸収を阻害し、糖を尿中へ排泄してくれる糖尿病の治療薬です。カナグリフロジン錠を服用することにより、1日に約240~400kcalの糖が排出され、中性脂肪が蓄積しにくくなり体重減少効果が見込めます。おおよその目安として、カナグリフロジン錠を1錠服用することによって、ご飯1杯分の糖質の摂取を無かったことにすることができます。
また、血糖値の上昇を防ぐことによって活性酸素の発生を抑え、肌荒れ、老化、生活習慣病の予防等のアンチエイジング効果が期待されます。ゆっくりと体重減少効果を発現するため、数ヵ月間内服することが必要です。GLP-1受容体作動薬と一緒にSGLT2阻害薬を内服することで、よりダイエット効果を高めることが期待できます。
メトホルミン錠
メトホルミンは、2型糖尿病の治療に使われる内服薬で、GLP-1を増やす作用、糖の吸収を抑える作用、筋肉や脂肪組織で糖を消費して脂肪を燃焼させる作用などが見込まれます。
また、老化の原因になる活性酸素を抑え、心血管疾患の発症リスクが低下させるなどのアンチエイジング効果が注目されています。
また、食欲を抑制し糖を排出する作用もあるため、GLP-1受容体作動薬よりはゆるやかではあるものの体重減少効果が期待できます。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
ついつい食べ過ぎてしまう方、お腹の脂肪が気になる方向けの医療用漢方です。皮下脂肪・内臓脂肪どちらにも脂肪燃焼効果があり、代謝を向上させる効果があります。余分な脂肪や水分が排出されてむくみの解消に寄与します。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
むくみやすく疲れやすく、食べ過ぎていないのに太ってしまう水太りの方向けの医療用漢方です。脂肪燃焼効果と水分代謝の活性化で肥満を解消します。むくみや水太りを改善する効果があり、すっきりとした見た目や体重減少に寄与します。
費用について
メディカルダイエットで用いる薬剤は、2型糖尿病などの治療薬として厚生労働省に承認されていますが、ダイエット目的での処方は国内では承認されていないため保険外診療(自由診療)となります。
詳細はメディカルダイエットのページをご覧ください。
未承認医薬品等(異なる目的での使用)
当院で用いるセマグルチド錠、セマグルチド注、カナグリフロジン錠等は、2型糖尿病等の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満治療目的での処方は国内で承認されていません。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。薬剤は国内の医薬品販売代理店経由で入荷しています。
おわりに
当院では、どの医師でもメディカルダイエット診療を行うことができますが、私(邨瀬智彦)は実際に自分で使用して副作用の有無などを確かめております。また、このメディカルダイエット診療を立ち上げたのは私ですので、希望があればお電話で指名してご予約ください。