男性側の原因
01.精子の質や数の低下
精子の数が少ない、運動率が低い、形態異常があるなど、精子の所見が低い場合、受精が難しくなります。
02.勃起不全
勃起不全や射精障害により、性交渉が完了できない場合、妊娠の成立は困難です。
03.精管閉塞や異常
精管がつまっている場合、精子が体外に出ることができず、妊娠に結びつきません。
不妊症
不妊症とは、結婚後1年以上、避妊をせずに性生活を行っているにもかかわらず、妊娠が成立しない状態を指します。男女問わず、不妊症の原因はさまざまで、女性に起因する場合もあれば、男性に原因がある場合もあります。夫婦の年齢や、子宮内膜症、排卵の有無、卵管が通過しているか、精液の状態等、様々な要因によって、より早い段階で検査や治療を開始すべき場合もあります。こちらでは、不妊症の症状、原因、検査方法、治療方法について詳しく解説します。
不妊症そのものには特定の「症状」と言えるものはありませんが、以下のような症状や状態が関係していることが多いです。
01.月経不順
月経周期が規則的でない、または無月経(生理が来ない)など、女性にとって月経の異常は不妊症のサインとなることがあります。
02.排卵障害
排卵が正常に行われていない場合、妊娠が成立しにくくなります。月経周期の異常や排卵時期の不明確さが、排卵障害の可能性を示唆します。
03.性行為による痛みや不快感
性交時に痛みや不快感を認める場合、女性に子宮内膜症などの異常がある可能性があります。これが原因で妊娠が難しくなることがあります。
04.男性側の問題
男性側の症状として、勃起しない、膣内で射精ができないなどの場合があります。
05.不妊の経過
妊娠を希望してから1年以上妊娠しない場合、不妊症の可能性が高くなります。この場合、早期に専門的な検査や治療を受けることが推奨されます。
不妊症の原因は、女性にも男性にも存在します。場合によっては、男女ともに原因が複合的に絡んでいることもあります。
01.排卵障害
排卵障害は不妊症の主な原因の一つで、ホルモンバランスの乱れや多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が原因となります。
02.卵管閉塞
卵管が閉塞していると、卵子と精子が出会うことができなくなります。これには、過去の性感染症や手術歴、子宮内膜症が関連していることがあります。
03.子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜が子宮の外に異常に発生する病気で、これが原因で卵管閉塞、卵子の数や質の低下、子宮内膜の炎症性変化などを招き、妊娠しにくくなります。
04.子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮内に良性の腫瘍が発生する疾患で、受精卵が着床しにくくなる場合があります。
05.年齢による卵巣機能の低下
年齢とともに卵巣の機能が低下し、卵子の数が減って、質が低下します。35歳を過ぎると、妊娠の確率が特に低くなります。
06.免疫性不妊
抗核抗体、抗カルジオリピン抗体、抗精子抗体などを持っていると妊娠率が下がったり、流産率が上がったりします。血液検査で調べます。
01.精子の質や数の低下
精子の数が少ない、運動率が低い、形態異常があるなど、精子の所見が低い場合、受精が難しくなります。
02.勃起不全
勃起不全や射精障害により、性交渉が完了できない場合、妊娠の成立は困難です。
03.精管閉塞や異常
精管がつまっている場合、精子が体外に出ることができず、妊娠に結びつきません。
01.ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れは、女性だけでなく、男性にも影響を及ぼし、不妊症の原因になることがあります。
02.ライフスタイルや環境要因
ストレス、喫煙、過度な飲酒、肥満や極端なダイエットなど、生活習慣が不妊症を引き起こすこともあります。
不妊症が疑われる場合、まずは以下の検査を行うことが一般的です。
基礎体温測定
基礎体温を毎日測定し、排卵の有無や月経周期を確認します。基礎体温が二相性でない場合、排卵障害が疑われます。高温期が短い場合、黄体ホルモンの分泌が不十分で、受精卵が着床しづらくなります。
超音波検査
卵巣や子宮の状態を確認するため、超音波(エコー)検査を行います。卵巣の状態や卵胞の発育、子宮筋腫や子宮内膜症の有無などを調べます。
内分泌検査
血液検査を行い、抗ミューラー管ホルモン(AMH)、下垂体ホルモン(LH、FSH、PRL)などを測定します。これにより、排卵障害や卵巣機能を評価します。
クラミジア、淋菌検査
(子宮頸部PCR検査)
不妊症や腹膜炎の原因となる性感染症の有無を調べます。
卵管通過性検査
卵管が通っているかどうかを調べる検査で、卵管閉塞の有無を確認します。当院では、痛みをほとんど感じない卵管通気通水検査を行うようにしています。
免疫性不妊検査
血液検査で、抗核抗体、抗カルジオリピン抗体、抗精子抗体などを調べます。これらが陽性だと、妊娠率が下がったり、流産率が上がったりします。
感染症検査
血液検査でHIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎の有無を調べます。
精液検査
精子の数、運動率、形態などを調べます。これらの所見が良くない場合は、不妊症の原因となります。
ホルモン検査
必要があれば、男性ホルモンの状態(FSH、テストステロンなど)を調べ、ホルモンの不均衡があるかを確認します。
不妊症の治療は、原因や患者の状態に応じてさまざまな方法が選ばれます。以下に代表的な治療法を紹介します。
タイミング法と人工授精(AIH)は「一般不妊治療」と、体外受精/顕微授精・胚移植は「生殖補助医療」と呼ばれます。
超音波検査などで排卵日を推測して、最も妊娠しやすい時期に夫婦生活を持てるよう指導する方法です。必要に応じて、以下の薬剤を処方します。
女性の排卵時に精子を子宮に直接注入する方法です。痛みはほとんどありません。タイミング法を数回行っても妊娠しない場合や、精子の数や運動率がやや良くない場合がよい適用です。排卵日までの治療スケジュールはタイミング法と同じです。
卵子と精子を体外で受精させ、その後受精卵(胚)を子宮に戻す治療法です。タイミング法や人工授精と比べて、妊娠する可能性はとても高くなります。
体外受精を行っても受精障害がある場合や、精子の数や運動率が悪い場合に、顕微鏡で精子を直接卵子に注入する治療法です。
保険適用の対象になるかどうかを評価している最中の、新しい医療技術です。先進医療に認定されている医療技術は、保険診療を継続しながら行うことが認められています。タイムラプス培養、子宮内膜着床能検査、子宮内細菌叢検査などがあります。
不妊症は、男女双方に原因があることも多く、適切な検査と治療を受けることが大切です。症状に応じた治療法を選ぶことで、妊娠の可能性を高めることができます。妊娠を希望している方は、早めに不妊治療を行っている婦人科の受診をおすすめします。