02. 薬物療法
ホルモン療法
筋腫を縮小させるため、エストロゲンの分泌を制御します。
レルミナ(内服薬)
- GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストと呼ばれる種類の薬です。この薬は、脳の視床下部から分泌されるGnRHの働きを阻害し、その結果、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌を抑制します。
- 女性ホルモンは子宮筋腫の成長を促す働きがあるため、レルミナによって女性ホルモンの分泌が抑えられることで、以下の効果が期待できます。
・子宮筋腫の縮小: レルミナの服用により、子宮筋腫の縮小が期待できます。
・月経量の減少: 月経の量が多い場合、レルミナによって月経量が減少し、貧血の改善が期待できます。
・子宮内膜症の症状改善: 子宮内膜症を併発している場合、その症状も改善されます。 - レルミナは効果的な薬ですが、副作用が出ることもあります。主な副作用としては、以下のようなものがあります。
・ホットフラッシュ: ほてり、発汗など
・骨密度低下: 長期服用により、骨がもろくなる可能性があります。
・膣の乾燥: 女性ホルモンの減少により、膣が乾燥しやすくなります。 - これらの副作用が出た場合は、医師に相談しましょう。
- レルミナの治療期間は、一般的には、3~6ヶ月の服用が一般的ですが、症状や治療の目的によって期間は異なります。
リュープロレリン(注射剤)
- GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アゴニストと呼ばれる種類の薬です。この薬は、脳の視床下部から分泌されるGnRHの働きを刺激し、一時的に女性ホルモンの分泌を増加させますが、その後、女性ホルモンの分泌を抑制する作用があります。
- 女性ホルモンは子宮筋腫の成長を促す働きがあるため、リュープロレリンによって女性ホルモンの分泌が抑制されることで、上記のレルミナと同じ効果が期待できます。
- レルミナが1日1錠内服する薬であることに対して、リュープロレリンは1ヶ月に1回皮下注射します。
ジエノゲスト
- 1日2回内服する黄体ホルモン製剤です。うまくいけば内服中は月経が来なくてラクに生活することができます。月経量が多い場合:、ジエノゲストは月経量を減らす効果があるため、過多月経による貧血などを改善することで、間接的に子宮筋腫による症状を軽減します。
- 子宮内膜症と子宮筋腫を併発している場合、子宮内膜症を改善することで、子宮筋腫による症状が軽減されることがあります。
- 貧血治療剤(鉄剤)
過多月経による貧血を改善します。当院では吐き気などの消化器症状が出にくいリオナという鉄剤を処方しています。