02. 内服薬
汗の分泌を抑えるプロバンサインという内服薬があります。内服をやめると汗の量が元に戻るため、継続して内服する必要があります。喉の渇きや眠気の副作用がありますので、外用薬では効果が乏しいときに選択肢となります。
ワキ汗
多汗症で悩んでいませんか?
日本人の10%はワキ汗に悩んでいるという報告があり、ありふれた病気の1つです。大人が悩むイメージがある病気ですが、大人だけではなく子供にも発症します。
以前はあまり良い治療がなかったのですが、現在では効果が高い治療が増えています。
「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」と呼ばれる、特にワキの下の汗が多い状態でお悩みではありませんか?日常生活に支障をきたすほど汗をかいてしまい、人との接触を避けて、自信をなくしてしまうことがあります。ワキ汗が目立たない衣服を選び、人の目が気になるなど、悩まれる方が多いです。
ワキにはエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があり、エクリン腺から出る汗はさらさらしており、アポクリン腺から出る汗はべとつき、特有のにおいがあります。遺伝、体質、生活習慣、甲状腺などの疾患が関与していることもありますが、ほとんどの方は明らかな原因がありません。原発性腋窩多汗症は、特にワキの下から大量の汗をかいてしまい、日常生活に支障をきたす状態を指します。明確な原因はわかっていませんが、遺伝的な要素が大きいと考えられています。自律神経のバランスがくずれることで、汗腺が過剰に働いてしまうとも言われています。
ワキの下から大量の汗が出て、服に汗ジミができてしまいます。自信喪失、対人関係の悩みなど、精神的なストレスを招きます。
原発性腋窩多汗症には以下の診断基準があります。
原因不明の多量の発汗が6ヶ月以上続いていることに加え、以下の6項目中2項目以上を満たす。
原発性腋窩多汗症の診断基準に当てはまる場合には、以下の治療法で症状が良くなる可能性が高いです。
腋窩多汗症は治療選択肢が多く、保険診療で治療効果が高いため、まずは保険診療内で治療を行うことを勧めております。当院では、近年発売されたエクロックゲルという外用薬(塗り薬)を取り扱っています。
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症の治療薬として、日本国内で初めて保険適用となった塗り薬です。ワキの下の汗腺の働きを直接抑制することで、多汗を改善する効果が期待できます。
エクロックゲルの有効成分であるソフピロニウム臭化物は、汗腺に作用し、汗を出す指令をブロックします。これにより、汗腺の活動が抑制され、ワキ汗の量が減ります。
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症の治療に有効な薬ですが、全ての患者様に効果があるわけではありません。
また、副作用が出る可能性もあります。治療を受ける際は、必ず医師に相談し、自分に合った治療法を選びましょう。
汗の分泌を抑えるプロバンサインという内服薬があります。内服をやめると汗の量が元に戻るため、継続して内服する必要があります。喉の渇きや眠気の副作用がありますので、外用薬では効果が乏しいときに選択肢となります。
ワキに片側あたり20カ所程度、50単位の注射を行います。注射の数日後から効果が出始め、1週間ほどで安定します。効果は半年(4~9ヶ月)ほど持続しますので、毎年春頃に注射すると最も汗に困りやすい夏を快適に過ごすことができます。
15歳以上の方が保険適用であり、3割負担の場合、費用は両側で約3万円です。妊婦、または妊娠している可能性がある方は注射を受けることができません。女性の方は注射後2回の月経が過ぎるまで、男性の方は注射後3ヶ月間は避妊が必要です。
ワキの皮膚を1カ所、4~5cmほど切開し、皮膚の下の汗腺を取り除きます。手術では皮膚を広めに剥がすため、手術後は血が貯まらないようにドレーン(血抜きの管)を挿入します。
手術時間は片側あたり45分程度です。両方同時に行うこともできますし、手術後の安静を楽にするために片側ずつ行うこともできます。
全く痛くないわけではありませんが、局所麻酔はごく細い針を用いて行いますので、痛みは最小限です。手術後は若干痛いことがありますが、痛み止めを処方しますのでご安心ください。
手術翌日から手術をしたところ以外のシャワー浴ができます。手術後2日目、あるいは3日目に来院していただきドレーン(血抜きの管)を抜去しますので、その後は傷を含めてシャワーを行うことができます。入浴は抜糸後からできるようになります。
手術後3日目までは包帯を使って厳密に圧迫します。普段通り生活を送っていただいて構いませんが、その間は腕を挙げる動作は最小限にしてください。腋臭症の手術の合併症は、手術後の安静を十分に保つことができないことによって生じることがあります。