閉経後性器尿路症候群|金山レディースクリニック|名古屋市の産婦人科・不妊治療・婦人泌尿器科
閉経後性器尿路症候群(GSM)とは?
女性は50歳ごろに閉経を迎えます。閉経前後から陰部を中心としたさまざまな症状が出現してくる状態を閉経後性器尿路症候群(GSM)と呼びます。
女性ホルモンの分泌が減少してくる更年期になると、皮膚や粘膜のうるおいが次第に失われます。特に腟、外陰部、尿道などは粘膜が脆弱になりやすく、ひりひり、乾燥感、かゆみ、性交痛、不正出血、尿もれ、頻尿、下垂感など多彩な症状が起きます。
これら更年期、閉経期に際して起こる陰部の不快な諸症状を総称して、閉経後性器尿路症候群(Genitourinary Syndrome of Menopause, GSM)と呼びます。閉経期の多くの方が何らかのGSM症状を有していると言われています。また加齢や加重による骨盤底のゆるみは、閉経後性器尿路症候群を助長することも知られています。
閉経後性器尿路症候群(GSM)の原因
加齢に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下します。すると、外陰部の粘膜がうすく、弱くなり、不快な症状が起きやすくなります。
閉経後性器尿路症候群(GSM)の症状
GSMの主な症状は以下の3つです。
- 膣が乾燥する
- おりものが減る
- 陰部をさわると痛む
- 陰部がひりひりする
- 性行為における挿入が痛くなった
- 性行為で濡れにくくなった
- 潤滑が維持できなくなった
- オーガズムが弱くなった
- オーガズムに達することができなくなった
- クリトリスの刺激が痛くなった
- いつも尿がしたいようなムズムズがある
- 膀胱炎を繰り返すようになった
- 排尿した時にしみる
- 排尿後も残尿感がある
これらの症状は、他人に相談しづらく、一人で悩んでしまうことが多いです。GSMの症状が疑われる場合は、お気軽にご相談ください。
閉経後性器尿路症候群(GSM)の診断
医師は症状について詳しく聞き、膣や尿道の状態を診察します。必要に応じて、以下の検査が行われることがあります。
- 尿検査:尿路感染症などの有無を確認します。
- 膣分泌液検査:膣内の菌の状態を調べます。
- 音波検査:子宮、卵巣、卵管、膀胱などの状態を調べます。
閉経後性器尿路症候群(GSM)の治療
女性ホルモンの腟錠、外用薬(塗り薬または貼り薬)、内服によるホルモン補充療法(HRT)を中心に行います。また尿もれには抗コリン薬の内服薬や漢方薬を処方します。性交渉があれば潤滑ゼリーを使用すること、臓器下垂症状があれば骨盤底筋体操の指導等を行います。外陰部や腟の保湿によるセルフケアも大切です。
よくある質問(FAQ)
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GSMは治る病気ですか?
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GSMは、閉経に伴う自然な現象であり、完全に治るというよりは、症状をコントロールすることが主な治療目標となります。
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GSMについて、自分で気をつけるべきことはありますか?
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粘膜がうすく、弱いので、洗いすぎることで症状を悪化させる場合があります。入浴時、高圧や高温のシャワーで長く洗浄したり、トイレでのウォシュレットの使いすぎに注意しましょう。
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萎縮性膣炎(老人性膣炎)と何ですか?
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GSMのうち、特に膣に起きる場合に萎縮性膣炎(老人性膣炎)と呼ばれます。外陰部に症状が強ければ、萎縮性外陰炎と呼ばれます。ひりひり、乾燥、かゆみ、性交痛、おりものの異常(黄色~茶色)などが生じます。女性ホルモンの膣錠を挿入することなどにより、症状の改善が期待できます。婦人科医にご相談ください。
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