外陰部に現れるできものは、形や大きさがさまざまです。小さな膨らみから、膨らんだ腫瘍、膿を持つ膨らみまで、種類も多岐にわたります。柔らかいものから固いもの、表面が滑らかなものからざらざらしたものまで、あらゆる種類のできものが発生しうります。

できものに圧力をかけたり、性交時に触れたりすると、痛みを感じることがあります。また、できものの周辺が腫れて赤くなることもあります。

できものの中から膿や分泌物が出ることがあります。膿が出る場合、感染が疑われます。

感染症が原因でできものが生じている場合、発熱や倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。

毛嚢炎は、毛穴に細菌が感染することで発症します。外陰部に毛が生えている部分に膿を持ったできものができ、痛みを伴うことがあります。汗や摩擦、衛生状態の不良が原因となることがあります。

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス（HPV）によって引き起こされる性行為感染症です。外陰部や膣周辺に小さなできものが現れ、イボのような形をしています。これらは通常、無症状で痛みはありませんが、放置すると増殖して大きくなることがあります。

バルトリン腺は外陰部にある腺で、膣の分泌物を排出する役割を担っています。バルトリン腺が細菌感染を起こすと、膿腫（膿を含んだ塊）ができ、外陰部に痛みを伴ったできものが現れます。

膣炎や性行為感染症（クラミジア、淋病、ヘルペスなど）によって、外陰部に炎症が生じ、できものができることがあります。これらの疾患は、感染経路として性行為が関係しています。

外陰部に現れるできものが腫瘍の場合もあります。良性のものとしては脂肪腫や線維腫などがありますが、悪性の場合も考えられます。特に、皮膚の色が異常だったり、痛みが続いたりする場合は、がんの可能性も否定できません。

アレルギー反応や皮膚疾患（アトピー性皮膚炎、乾癬など）が原因で、外陰部に発疹やできものが現れることがあります。特定の化粧品や洗剤、衣服の素材が原因となることがあります。

婦人科医による視診と触診を行い、できものの形状、色、大きさ、硬さなどを確認します。この段階で、何らかの感染症や腫瘍の可能性を絞り込むことができます。

できものの表面や膿を採取し、顕微鏡で細胞を観察することで、悪性か良性か、また感染症が関与しているかを調べます。

性器ヘルペスなどのウイルス性疾患が疑われる場合、ウイルス検査が行われます。

疑わしい場合には、外陰部の皮膚の一部を切り取って病理検査を行います。これにより、腫瘍が良性か悪性かを判断することができます。

バルトリン腺膿腫のような膿を含むできものの場合、超音波検査を行い、腫瘍や膿腫の状態を確認することがあります。