月経量が多い(過多月経)とは?
過多月経(かたげっけい)は、生理の出血量が異常に多い状態を指します。通常、月経の出血量は40mLから100mL程度とされていますが、過多月経の場合、これを超える出血が続きます。過多月経は、月経が長引く、または頻繁に発生することが特徴です。この状態が続くと、貧血や体調不良を引き起こすことがあります。
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月経量が多い・少ない
過多月経(かたげっけい)は、生理の出血量が異常に多い状態を指します。通常、月経の出血量は40mLから100mL程度とされていますが、過多月経の場合、これを超える出血が続きます。過多月経は、月経が長引く、または頻繁に発生することが特徴です。この状態が続くと、貧血や体調不良を引き起こすことがあります。
過多月経の症状には以下のようなものがあります。
これらの症状が見られる場合、過多月経の可能性がありますので、早期に医師に相談することがすすめられます。
過多月経にはさまざまな原因が考えられます。代表的なものを以下に紹介します。
01.子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮内にできる良性の腫瘍です。子宮筋層の内側、筋層内、外側のうち、どこの場所にできるかによって症状が異なります。特に内側(子宮内膜に接した場所)に筋腫ができてしまうと月経に影響を与えて、出血量が多くなりやすくなります。不妊症の原因にもなります。
02.子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜が子宮筋層や子宮外に異常に広がってしまう病気です。これにより月経の量が多くなったり、長く続いたりします。月経のたびに悪くなる病気で、不妊症の原因にもなるため、医師の診察を受け、適切な治療を受けましょう。
03.子宮内膜ポリープ
子宮内にできるポリープも、過多月経の原因になります。妊娠をめざす際には、受精卵が着床する大事な場所に異物が存在していることを意味しているので、不妊や流産の原因にもなります。
04.ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れ、特にエストロゲンとプロゲステロンの不均衡が原因で、子宮内膜が異常に厚くなることがあります。これが過多月経を引き起こす原因のひとつです。
05.その他の原因
過多月経が疑われる場合、原因を特定するためにさまざまな検査が行われます。
01.超音波検査(エコー)
超音波検査(エコー)は、子宮内膜や筋腫、ポリープの有無を調べるために行われます。性交渉歴が無い場合には、膣から入れて見る超音波検査は行わないようにしますので、安心して受診してください。
02.血液検査
ホルモンバランスや貧血の有無を調べるため、血液検査が行われます。過多月経による貧血が進行している場合、血液検査でその症状が確認できます。
03.子宮内膜生検
子宮内膜の細胞を採取して、病変がないかを調べる検査です。子宮体がんや子宮内膜増殖症が疑われる場合に行われます。
過多月経の治療方法は、その原因に応じて異なります。以下に代表的な治療方法を紹介します。
ホルモン療法
ホルモンバランスの乱れ、子宮内膜症、子宮筋腫などが原因の場合、ホルモン療法を行います。低用量ピルや黄体ホルモン製剤を内服することによって症状が改善します。
抗炎症薬
痛みや出血を抑えるために、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が処方されることがあります。
止血薬
出血量を減らすために、止血薬(トラネキサム酸など)の薬が処方されることがあります。
貧血を治す薬
近年、吐き気が出にくい貧血治療薬が発売され、それを処方されることがあります。
子宮内に小さな装置(商品名:ミレーナ®)を挿入し、そこから黄体ホルモンをゆっくりと放出する方法です。月経を止める効果が期待できます。最長5年間子宮内に入れておくことができ、日々ホルモン薬を内服しなくても生理痛や出血がなく快適に過ごせることが期待されます。子宮内に入れる際に、痛みを伴う場合があります(お産を経験されたことのある方は比較的痛みが少なく入れることができます)。
子宮筋腫やポリープの摘出: 子宮筋腫やポリープが原因の場合、手術で摘出することがあります。
重度の症例では、子宮全摘手術が選択されることもあります。これは、出血を止めるために最も効果的な方法ですが、妊娠を希望する場合には適応外となります。子宮全摘手術をおすすめする場合は、ご希望の高次医療機関(大きい病院)に紹介させていただきます。
過少月経(かしょうげっけい)は、生理の出血量が異常に少ない状態を指します。月経があっても、通常よりも出血量が少ない、または月経の回数が極端に少ない場合を過少月経と言います。過少月経は、妊娠を希望する女性にとって大きな問題となることがあります。
過少月経の症状には以下のようなものがあります。
過少月経の原因は以下のようなものが考えられます。
01.ホルモンバランスの乱れ
過少月経の最も一般的な原因はホルモンバランスの乱れです。特に、エストロゲンやプロゲステロンが不足することが影響して、子宮内膜が十分に厚くならず、出血量が減ります。
02.体重の変化
急激な体重減少や過度のダイエットが過少月経を引き起こすことがあります。また、過度な運動やストレスもホルモンの分泌に影響を与え、月経不順を引き起こすことがあります。
03.多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
PCOSは、卵巣に多数の小さな嚢胞ができる病気で、排卵が起こらなくなり、ホルモン分泌の不均衡を引き起こし月経周期が乱れ、過少月経となります。不妊症の原因にもなり、妊娠を希望していない時期からホルモン療法を行うことで生理不順が改善し、にきびやイライラもよくなることが多いです。早期に診察を受けることをおすすめします。
04.更年期
更年期を迎えると、卵巣の機能が低下し、月経が少なくなったり、完全に停止したりすることがあります。
05.ストレスや生活習慣
ストレスや生活習慣が原因で、自律神経が乱れることも過少月経の原因となります。
過少月経が疑われる場合、以下の検査が行われます。
01.血液検査
ホルモンの状態を調べることで、原因を特定します。
02.超音波検査(エコー)
卵巣や子宮の状態を確認し、PCOSや卵巣機能の異常を確認します。
過少月経の治療は原因に応じて行われます。
ホルモン療法
ホルモン療法は、過少月経の原因であるホルモンの不足を補うために使用されます。低用量ピルやホルモン補充療法(カウフマン療法)が行われます。
ダイエットと生活習慣の改善
過少月経が体重や生活習慣に関連している場合、食事や運動の見直し、ストレス管理が有効です。
排卵誘発薬
妊娠を目指している場合でPCOSなどによって排卵がうまく行われていない場合、排卵誘発薬が処方されることがあります。
過多月経や過少月経は、月経周期の異常を引き起こす症状であり、その原因や治療法はさまざまです。症状が気になる場合は、早期に受診して原因を明確にし、適切な治療を行うことが重要です。