生理痛の最も一般的な症状は、下腹部に感じる鈍い痛みや子宮の痙攣（けいれん）です。生理が始まる前や初日には、子宮が収縮するため、このような痛みを感じることがよくあります。

生理痛とともに、腰に痛みを感じることがあります。腰周辺の筋肉が緊張したり、子宮の収縮で腹膜が引っ張られたりすることが原因です。子宮が後屈しているタイプだと腰痛を感じやすい傾向があります。

生理中には炎症性の痛み物質が放出されるため、頭痛や片頭痛を引き起こすことがあります。

生理痛がひどくなると、吐き気や消化不良、食欲不振などを伴うこともあります。

ホルモンの変動により、生理中に感情が不安定になり、イライラや気分の落ち込みを感じることもあります。

月経痛の最も一般的な原因は、子宮が月経血を外に排出するために収縮することです。この収縮によって、子宮の周囲にある靭帯や腹膜が引き延ばされたり血管が圧迫されたりして、痛みが発生します。これは正常な生理的な反応です。

生理は、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの変動によって引き起こされることがあります。排卵に伴ってこれらのホルモンの分泌が大きく変動し、子宮内膜が剥がれ落ちる際に強い収縮を促し、痛みを感じることがあります。低用量ピル等のホルモン剤は、このホルモンの変動を抑えるため生理痛がやわらぎます。

子宮内膜症は、子宮内膜が子宮の外で増殖する疾患で、強い生理痛を引き起こします。痛みは通常、生理前や生理中に強くなります。放置すると性交痛や排便痛を引き起こし、不妊症、子宮体がん、卵巣がんなどになってしまう可能性が高くなります。

子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍で、これが生理痛の原因になることがあります。筋腫が子宮内膜に近い位置にある場合、月経量が増えて、痛みも強くなります。その場合、不妊や流産のリスクが高まります。

卵巣嚢腫があると、月経時に痛みを感じることがあります。嚢腫が破裂すると、急激な痛みが起こることもあります。チョコレート嚢胞（卵巣子宮内膜症性のう胞）の場合は、不妊症の原因にもなります。

骨盤内感染症や炎症も生理痛を引き起こす原因となることがあります。特に感染が広がると、月経時に強い痛みを伴うことがあります。

超音波検査で、子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮内膜症などの異常を確認することができます。この検査は、痛みを伴うことなく簡単に受けられます。

ホルモンの状態や貧血の有無を調べるため、血液検査を行うことがあります。ホルモンバランスが乱れている場合、月経に影響を与えることがあります。

子宮内膜症や筋腫、卵巣の異常を詳細に調べるために、MRI検査が行われることがあります。これにより、病気の進行状況や他の疾患を特定することができます。